バイオマス原料を使用した紫外線硬化性樹脂

近年、地球温暖化が世界的な環境問題となっている中、温室効果の高いCO2の排出量削減が課題とされています。とりわけプラスチック商品に関しては、商品の産業廃棄物処理の問題がクローズアップされています。これらの現状を「カーボンニュートラル」の概念より考えれば、バイオマス由来の原料は、焼却時にCO2を発生させたとしても、その炭素原子は光合成前のCO2に含有される炭素原子であり、大気中のCO2増減には影響を与えないとされています。したがって、バイオマス由来の原料を用いた商品は環境に優しい素材と考えることができます。スリーボンドでは、このような背景を受けバイオマス由来の原料を使用した接着剤の開発を行いました。今回開発した商品は、汎用的に使用できる上、バイオマス度が45%であり、使いやすさと環境への配慮を両立しています。

特徴

  • バイオマスマークの認定を受けた環境負荷の少ない接着剤。
  • 低粘度で作業性に優れる。
  • UV-LED(365nm)での硬化が可能。
  • ガラス、金属、プラスチックなどへの密着性に優れる。

用途

  • 紫外線を透過する部品への各種接着・ポッティング

開発のポイント

汎用的な紫外線硬化性樹脂をターゲットに、バイオマス由来の原料を使用して開発しています。そのため、環境に対する負荷低減への寄与が期待されます。また、UV-LEDでの硬化を可能としています。これにより、接着剤を硬化させる際のエネルギーの低減にも寄与しています。
バイオマス原料を使用した紫外線硬化性樹脂であるThreeBond 3049は従来の汎用品と類似した性状を示し、各種部材への接着力も良好なため、幅広い箇所への使用が可能です。

性状および一般特性

高圧水銀灯使用時の接着力

ThreeBond 3049は各種材質において汎用グレードであるThreeBond 3042Bと同等の接着力を示します。そのため、幅広い用途への適用が可能です。

UV-LED使用時の接着力

ThreeBond 3049はUV-LEDで硬化させた場合でも、各種材質に接着することが確認できています。

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