No.2

嫌気性強力封着剤について

特長

嫌気性強力封着剤の「嫌気性」とは?

「嫌気性」とは一般的にはあまり耳慣れないことばですが、これは文字どおり「空気を嫌う」すなわち「空気(酸素)の遮断」によって、はじめて固まる接着剤であることを意味しています。

「空気の遮断」とともに、嫌気性強力封着剤が固まるための必須の条件がもう一つあります。それは「金属との接触」ということです。つまり、金属がないと硬化しないのです。すなわち金属どうしの接着に適した接着剤なのです。

その他の特長(長所)

嫌気性強力封着剤のその他の長所として、以下のものが挙げられます。

  • 一液無溶剤

    • 混合する必要がなく手軽であること
    • 無溶剤で環境にやさしいタイプ
  • 常温速硬化

    • 適当な温度ですぐに硬化する

次に嫌気性強力封着剤の硬化プロセスを見ていきましょう。

硬化方法

嫌気性強力封着剤の構成

嫌気性強力封着剤は、約95%のモノマーと呼ばれる成分、約5%の「金属があると結合を始める成分」その他で構成されています。

  1. 1 金属があると結合を始める成分を「反応開始剤」といいます。
  2. 2 空気に触れている状態だと・・・
    まだ、何も反応は起こりません。
  3. 3 しかし、空気が遮断された状態になると・・・
  4. 4 「反応開始剤」がキッカケとなって硬化が始まります。

用途

金属の種類によっても硬化性が異なります。

嫌気性強力封着剤は金属どうしの接着に最も適していると先に説明しましたが、金属の種類によっても硬化の速度と強さが異なります。以下のグラフで示します。

簡単にいうと、錆びやすい金属ほど固まりやすいのです。

接着強さとクリアランス(すきま)の関係

嵌め合いにおいては、クリアランス(すきま)の大きさも接着強さに影響します。
以下のグラフで示します。

クリアランスが大きい場合、
補助剤としての「プライマー」の使用をおすすめします。

具体的に最も適した用途とは

嫌気性強力封着剤は金属用の接着剤ですが、以上説明してきた特長から、具体的にいえば以下の2つの用途に特に適しています。

とりわけクリアランスの小ささから、ねじのゆるみ止めが
最大の用途といえます。

プラスチック部位に使用する場合の注意

嫌気性強力封着剤は金属用の接着剤ですが、一部プラスチックにも使用できます。
ただし、材料によってはおかす可能性がありますので十分注意してください。

表中「×」の部分は腐食の可能性が高いので、使用しないでください。

FAQ

Q

容器内でゲル化してしまいます。

A

次のような場合が考えられます。

  • 密閉された他容器で保管した場合、空気が遮断されてゲル化する場合があります。
    他容器での保管は避けて下さい。
  • 高温環境下で保管すると、反応が進みゲル化する場合があります。
    ラベルに記載された適切な環境下で保管して下さい。
  • 使用した残りを元の容器に戻した場合、金属不純物を取り込み容器内でゲル化します。
    使用する分のみを取り出し、残りは元の容器に戻さないで下さい。
Q

固まりません

A
  • 冬場や低温環境下では、完全硬化までの時間が長くなります。
  • 不活性金属やプラスチック材料は硬化しない場合があります。
    プライマーの使用をご検討下さい。
  • 接着剤厚みが大きいと硬化が遅くなります。適切な圧着条件を設定して下さい。

使用上の注意

  • 空気に触れている箇所は硬化しないため、はみ出し部は拭き取り等の処置が必要です。
  • 金属イオン等が混入すると硬化します。
    他容器での保管や使用した残りを元の容器に戻すことは避けて下さい。
  • 接触により皮膚かぶれが発生する場合があります。適切な保護具を用いてご使用下さい。

まとめ

嫌気性強力封着剤は、常温で速硬化する金属用接着剤です。
最適な用途は比較的限定されていますが、金属の接着という需要がある限り、必要不可欠な接着剤です。

スリーボンドでは、皆様の設計ニーズに最も適した製品づくりを心がけています。

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