伸びても導電性を維持する低温硬化型の軟質導電性樹脂

近年、電子デバイスやセンサーのフレキシブル化が進み、樹脂など耐熱性のない材質の使用が増加しています。そのため、使用される導電性樹脂にも100℃以下の低温硬化性が求められてきました。また、樹脂材質と金属間の接合には、材質の線膨張差に追従できる硬化後の伸びが必要であり、落下時に割れにくい、柔軟性のある導電性樹脂が求められています。

特徴

  • 硬化物が柔らかい。
  • 材質の伸び縮みに追従できる。
  • 100%伸ばしても破断せず導電性を有する。
  • 100℃以下の低温で硬化ができる。

用途

  • 線膨張差の大きい異種材料間のアース取り
  • フレキシブルデバイスのアース取り、回路形成
  • フレキシブル基板への電子部品実装
  • 可動部の回路形成

開発のポイント

異種材料間の線膨張差への対応やフレキシブルデバイスへの適用を想定して、従来製品にはない柔軟性が有り、変形時にも導電性を有する樹脂の開発を進めました。ベースポリマーに柔らかく伸びを有するシリコーン樹脂材料を選定し、特殊な導電性フィラーを用いることで従来よりも軟質で伸びを有する新たな製品の開発に成功しました。また、硬化触媒の最適化により100℃以下の低温硬化を実現しています。

性状および一般特性

従来製品と硬さの比較

従来製品とThreeBond3333Fに力を加えると、従来製品では変形に耐えられず破壊するのに対し、ThreeBond3333Fは力で破壊することなく追従変形します。

従来製品と延伸特性の比較

最新技術・材料情報一覧へ戻る